はじめに
本サイトにお越し頂きありがとうございます。
このサイトでは、私自身が心停止となった経験をお伝えしたり、救命法の普及活動について発信をしております。
私自身も救命法の講習を行っております。
私は一児の父ですが、できればこどもに胸骨圧迫をするといったケースは想定したないものです。
しかし、備えあれば患いなし。
今回は、こどもへの胸骨圧迫のやり方について解説していきます。
小児の心停止の場合、人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望ましいとされております。
今回のブログは、職業上救護義務が発生しない一般市民向けが対象です。教職員や保育士等については、人工呼吸が必要となる場合がございますのでご留意ください。
それでは解説していきます。
胸骨圧迫の目的
胸骨圧迫は、心停止と判断され、蘇生の必要がある場合に人工呼吸とともに心肺蘇生として行われる手技で、 私たちが想像するいわゆる「心臓マッサージ」のことです。
胸骨圧迫の目的は、心停止したひとの心臓を外部から圧迫して、適切な医療処置を受けられるまでの間、 そのひとの血流を助けるために行います。心停止になると、体中へ血液を送るポンプ機能が停まってしまいますので、その間体への血流が止まってしまいます。そうなると、体の細胞たちは死滅していきます。
特に脳への血流不足は致命的で、数分で細胞が死滅していきます。脳細胞が死滅した場合、仮にその後医療処置をうけ 蘇生できたとしても、脳細胞の死滅によって重篤な障害が残ることもあります。
そのため、心肺停止したときは、医療処置が受けれる環境になるまでの間、いかに血流を維持し細胞の死滅を防ぐかってことが重要になってきます。
小児に対する胸骨圧迫
小児とは何才までを指す?
胸骨圧迫に関して、小児とは1歳~思春期までを言います。
思春期の兆候としては、男子の場合は胸毛や腋毛、女子の場合は乳房発育を挙げることができます。
AEDを使用する場合の「小児」の定義は、心肺蘇生法を実施する場合と異なりますので注意が必要です。(小学生未満が小児となります。)
胸骨圧迫の位置
胸骨圧迫30回に人工呼吸2回の割合で行います。
人工呼吸のやり方については、こちらを参考にしてください。
こどもの心停止の原因として、溺水や窒息など「不慮の事故」が多く挙げられます。心停止の原因が心臓ではなく、呼吸が止まってしまったことによって発生する可能性が高いのです。
つまりは、既に血液中に酸素が足りていない状況である可能性が高く、人口呼吸を組み合わせて行うことが必要になります。
興味がある方はぜひ救命講習を受けてみてください。
話を胸骨圧迫に戻します。
胸骨圧迫の深さ・テンポ
胸骨の下半分の位置となります。目安は胸の真ん中です。
胸の厚さの約1/3沈むまでしっかり押し下げます。両手でやって押しすぎるような場合は、片手で押し下げても構いません。
これを30回繰り返します。
1分間に100~120回のテンポで圧迫します。
成人の胸骨圧迫と同様、重要なことは、十分な強さと、十分な速さで、絶え間なく圧迫することです。
押した後は圧迫の解除を確実に行います。
成人との違いは?
成人の胸骨圧迫の深さは約5cmでしたね。
対する小児は、「胸の厚さの1/3沈むまで」となっています。
成長に個人差がある小児の場合は、体格に合わせてその1/3を押すと覚えておいてください。
心肺蘇生の中止時期は
これらの場合は、胸骨圧迫を中止しても構いません。
- 救急隊員に引き継いだとき
- 傷病者に何らかの応答や目的のあるしぐさが現れたとき
- 普段通りの呼吸をし始めたとき
まとめ
いかがでしたでしょうか。小児に対しての胸骨圧迫のやり方を解説しました。
成人同様、読んでみただけでちょっと・・・という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、ぜひ救命講習を受けてみて実際に体を動かしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント