人工呼吸はしなくてもよい?人工呼吸のやり方と回数について解説

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人工呼吸
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このサイトでは、私自身が心停止となった経験をお伝えしたり、救命法の普及活動について発信をしております。
私自身も救命法の講習を行っております。

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心肺蘇生法における人工呼吸について

近年、救命講習を受けた際に「人工呼吸はしなくてもよいです」と教わった人もいるかと思います。

ほんとにしなくていいの?したほうが良いって習ったよ?

ほんとのところはどっち??

人工呼吸は何のためにやるんだっけ?
そのことを理解できれば、「人工呼吸は必要か」に対する答えが出てきますので、わかりやすく解説していきます。

人工呼吸の目的とは

人工呼吸の目的は「傷病者の肺に酸素を含んだ空気を送ること」です。
肺に酸素を送ることで、血中に酸素を溶け込ませるのです。

そして、胸骨圧迫によって酸素が溶け込んだ血液を全身に巡らせるのです。

なぜ「人工呼吸はしなくてもよい」となった?

消防の救命講習では人工呼吸の実施について、以下のように説明があります。

『人工呼吸を行う技術意思がある人は、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望ましい』

前提として、人工呼吸は訓練を受けていないと難しいという技術面でのハードルがあります。

また、家族ならともかく、見ず知らずの傷病者に口をつける人工呼吸は心理的な面でハードルが高いといえます。


傷病者が口から吐血や泡をふいている場合こともり、ためらいを持たない人のほうが珍しいと個人的には思います。

そのようなケースでは感染防護具が必要になりますが、身近になければ人工呼吸を行うことはさらに現実的ではなくなってしまうでしょう。


技術的そして心理的なハードルから人工呼吸はできないとしても、

「せめて胸骨圧迫だけでも行ってもらいたい!」

という狙いから、人工呼吸を省略した

「胸骨圧迫のみの心肺蘇生」が近年普及し

結果として、

どんなケースでも「人工呼吸はしなくてもよい」という誤解が生じているのが現状です。

人工呼吸が必要なケース

「人工呼吸はしなくてもよい」は正しくないと申し上げました。

ではどんなケースで人工呼吸が必要か考えていきたいと思います。

ここで人工呼吸の目的を思い出してください。

「傷病者の肺に酸素を含んだ空気を送ること」
そして血中に酸素を溶け込ませることでしたね。


では、血中に酸素が溶け込んでない状態の人とはどういう状態の人でしょうか。


・窒息
・溺水による心停止
・子どもの心停止
・傷病者が倒れたところを目撃していない場合
・救急隊の到着までに時間を要する場合

などが挙げられます。

窒息や溺水は、低酸素が原因で心停止となっている場合が多く、速やかに血中に酸素を送り込む必要があります。

子どもの心停止は、呼吸が原因で心停止となっている場合が多く、人工呼吸が必要です。


傷病者が倒れたところを目撃していない場合は、倒れてからの時間経過が不明であり、血中の酸素濃度が不明です。
救急隊の到着までに時間を要する場合も、血中の酸素濃度が減少していくため、人工呼吸で酸素を送り込んであげる必要があります。

人工呼吸を行うために

あなたが通りすがりで見知らぬ人の急変に第三者的にかかわるのであれば、体液・血液感染のリスクを負ってまでやらなくてはいけないものではありません。胸骨圧迫だけでも119番通報するだけでも、自分の安全(感染の問題も含めて)を優先して、できる範囲のことを無理せず行えば十分です。

例えば、あまり想定はしたくないですが、家族や恋人が急変してしまった場合には、人工呼吸を行うほうが助かる可能性が高くなるでしょう。

家族や恋人の場合は、マウストゥーマウスの人工呼吸でもよいと思います。(感染症の有無を把握している)

それ以外のケース(例えば、水辺で遊ぶ、近所の子どもと出かける等)は、感染防護具を持参するのが良いでしょう。

フェイスシールドという感染防護具は、たためば非常にコンパクトになりますので嵩張りません。
ポケットマスクという感染防護具も、折り畳みサイフ程度の大きさですので、負荷になるものではありません。
いつでも持ち歩いている、そして使うことが出来る。そういう状態に保つことが重要となります。

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人工呼吸はどうやってやるの?

では実際にどうやってやればいいか。

胸骨圧迫30回ごとに人工呼吸2回

フェイスシールドやポケットマスクなどの感染防護具を使用しても、しなくともよいです。

胸骨圧迫30回行うごとに、人工呼吸を2回行います。
1回ごとに胸が上がっていることを目視で確認しながら行う必要があります。

仮に、「胸の上がりが確認できなかった」としても、3回も4回も人工呼吸をする必要はなく、胸骨圧迫30回に戻ってください。

気道確保

人工呼吸を行う前に、気道を確保します。(下図)これにより、舌の付け根が喉の奥に落ち込まず、人口呼吸で空気を肺に送り込めるようになります。

  1. 片方の手を額に置き、もう一方の手の指を顎先の骨の部分に置く
  2. 頭を後方に傾け、顎先を持ち上げる。

気道を塞がないように、首や顎先の下の柔らかい部分を押し込まないようにします。

人工呼吸の方法(ポケットマスクなし)

  1. 引き続き気道を確保しながら、親指と人差し指で鼻をつまんで塞ぐ。
  2. 普段通りに息を吸い込む。傷病者の口を救助者の口で覆う。
  3. 人工呼吸を2回行う(1回につき1秒間息を吹き込む)。人工呼吸を行うたびに、胸の上がりを確認する。
  4. 胸骨圧迫の中断時間は10秒以内に抑えるようにする。
ポイント
  • 息を吹き込む量は、胸が軽く上がる程度です
胸が上がらない場合の対処

人工呼吸を正しく行うには、少し練習が必要です。傷病者に人工呼吸を1回行って胸が上がらない場合は、以下に従う。

  • 頭を通常の位置に戻す
  • 頭を後方に傾け、顎先を持ち上げて、再度気道を確保する
  • その後、もう1回人工呼吸を行う。胸が上がることを確認する
うまく人工呼吸ができない原因

どうしても人工呼吸で胸の上がりを確認できない場合は、以下の原因が考えられます。
ちゃんとできているかチェックしてみましょう。

  • 不十分な気道確保
  • 鼻孔が塞がれていない
  • 口の開け方が小さい

ポケットマスクとは

ポケットマスクは感染防護具の一つです。
プラスチック製で傷病者の口と鼻を覆い、救助者を血液や嘔吐物、感染から守ります。

個人的にはフェイスシールドを使った人工呼吸よりも、呼気が漏れにくく簡単です。
傷病者との物理的な距離もあるため、心理的なハードルが下がるとも言えます。

横から見たポケットマスク
鼻方向から見たポケットマスク

人工呼吸の方法(ポケットマスクあり)

  • 傷病者の口と鼻を覆うようにマスクをつける。
    写真のように先端が尖ったマスクの場合、マスクの細いほうの端を鼻梁に合わせます
  • 傷病者の顔にマスクを押し付けながら、頭を後方に傾け、顎先を持ち上げる。傷病者の顎先を上げて気道を確保する際は、顔とマスクの間に隙間を作らず、密閉状態にすることが重要である。
  • 人工呼吸を2回行う(1回につき1秒間息を吹き込む)。人工呼吸を行うたびに、胸の上がりを確認する。
  • 胸骨圧迫の中断は10秒以内に抑えるようにする。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
人工呼吸の必要性と、やらなければならないケース、人工呼吸の方法についてお伝えしました。

記事を見るだけでは・・・という方はぜひ救命講習を受講してみてください!

アドライフでは、ポケットマスクを使った人工呼吸の方法も学べますので、気になった方はご連絡ください。

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最後までご覧頂きありがとうございました。

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